ブルゴスのサンタ・マリア大聖堂 |
とても歩みが遅い旅行記ですが、もう少しスペイン・ポルトガル巡礼記の続き。
上は、ブルゴス市にあるサンタ・マリア大聖堂(カテドラル)。
スペイン3大・大聖堂の一つで、ユネスコ世界遺産にも指定されている。
写真は主祭壇、つまりこのカテドラルの中心となる祭壇である。
聖母マリアを中央に、聖書のさまざまな場面が彫刻されている。
この主祭壇の周囲に13の脇祭壇があるけれど、どれも「脇」とは思えない豪華さで
金銀細工、大理石彫刻など、きらびやかで華麗で目が眩む。
聖母マリアに捧げられているだけあって、華やかでエレガントだ。
案内してくれたグロリアは、背が高くスレンダーで、
スリムなジーンズが一層そのスレンダーさを強調している。
短めの褐色の髪を、ぎゅっと一つに束ねている。
彼女はこの街で生まれ育っているということ
この大聖堂は「わたしの家、わたしの庭」という気持ちのようで、
係員が呼び止めるのも気にせず、立ち入り禁止の場所にも大股でどんどん入っていく。
係のおじさんは「なみだ目」になっているけれど、お構いなしだ。
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵の前にも、
アラバスタ―製の枢機卿像にも、臆せず近づいていく。
豪華な彫刻が施された聖歌隊席にも座って見せる。
ロープで囲われたエル・シッドのお墓だって「私の庭」だ。
「立ち入り禁止じゃないの?」心配して聞くと
「構わないわよ!子供の頃なんて、こんなロープなかったのよ。ここに寝転んでたわ」
と平気だ。
「寝転んで、あの天井の彫り物をずーっと見てたの、綺麗でしょう」と言う。
このカテドラルの中心クーポラだ。
一緒に見上げると、大理石とは思えないレースのような透かし彫りで、
そこからやわらかな光が射し込んで、神々しい美しさだ。
そして「このブルゴス大聖堂は、世界初のゴシック建築なの」と彼女は主張する。
フランスのゴシック建築よりもこちらが先なんだ、と。
本当でしょうか。
でもこの大聖堂を誇りに思う気持ちはよくわかる。
グロリアのぐいっと顎をあげた、誇らかな姿と、壮麗なカテドラルが心に残る。
下の写真は、大聖堂に通じる聖マリア門。
門の向こうに大聖堂の尖塔が見える。
門を越えて、何百羽ものツバメが飛び交っていた。