早稲田大学グリークラブによる「夢の手ざわり」 |
12月4日(日)早稲田大学グリークラブ 第64回定期演奏会を聞いた。
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2016年 12月 11日
12月4日(日)早稲田大学グリークラブ 第64回定期演奏会を聞いた。 私の第一詩集『夢の手ざわり』が、作曲家・田中達也さんの手で合唱曲となったのだ。 第1ステージ、第2ステージ、第3ステージとヴァラエティーに富んだプログラムが続き 「夢の手ざわり」は最終演目、 しかも人気作曲家による「委嘱初演」である。 指揮もまた人気の相澤直人さんとあって、会場には期待感がみなぎっている。 第4ステージの幕が開いた。 80~90名程だろうか。 ビシッと白いスーツに黒タイ姿が舞台上に並ぶ様は、端正かつ壮観だ。 「男声合唱とピアノのための組曲 『夢の手ざわり』」は 「わたり鳥」「夏のまぶた」「夢の手ざわり」「ひかり」「風」の5編の詩による組曲となっている。 はじめの一音が、鳴る…… 時にダイナミックに時に繊細に、音の「手ざわり」が変化する。 詩の言葉と共に、跳ねるような音、裂ける音、優しく流れる音、伸びやかな音。 烈しくぶつかる音。混ざり合い溶け合う音。 そして美しく歌うメロディー、和音。 幾つもの音の層を通して、いのちの炎が煌めく。 組曲としての全体の構成、展開。一曲の中の構成、展開。 作曲家の才能が随所に感じられて、スリリングだ。 指揮の相澤直人さんの指揮棒が、音を引き出し、空間に解き放つのが見える。 新しい歌にチャレンジし、新しい自分たちの音楽を生み出そうという 意欲、熱い想いが伝わる。 合唱というのは、自分の声に耳を澄ませ、他の人の声に耳を澄ませるもの。 グリーのメンバーの互いを信頼し、響き合う力に打たれる。 丁寧でみずみずしい声、歌う歓びに満ちている。 前田則夫さんのピアノが寄り添うように、歌声を導いていく。 指揮もピアノも歌う仲間も、純粋な気持ちで「合わせる」という音楽の素晴らしさを改めて思う。 府中の森芸術劇場のどりーむホールの2000席は、ほぼ満員。 詩を書いたときの、切羽詰まった、どこへも辿り着けないような それでも小さな希望を頼りに、一人で書いていたあの想いが甦る。 私の言葉はもう「一人」ではなくなっていた。 もう「私」から自由で「私」の言葉ではないのだ。 そう、そもそも初めから詩の言葉は詩人のものではない。一度も。 田中達也さんは2008年第19回朝日作曲賞佳作、 第15回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門入選など人気と実力を兼ね備えた若手作曲家だ。 プログラムに掲載されていた、「夢の手ざわり」への言葉が素敵で心震えました。 (ここに転載したいくらい!) 「ミライノコドモ」(谷川俊太郎 詩) 「レモンイエローの夏」(みなづきみのり詩)など、田中さんは多くの人気合唱曲を作られている。 詩に共鳴し言葉の音楽を聴き取って下さった田中達也さん、どうもありがとうございます。 力強くしなやかな歌声を聞かせて下さった、早稲田大学グリークラブの皆様、ありがとうございます。皆さん一人一人の表情、歌声、忘れません! 第3ステージ、学生指揮の小林昌司さんも、学生とは思えぬ指揮振り。素晴らしかった。 指揮の相澤直人さん、ピアノの前田勝則さんにもお礼申し上げます。 相澤さんが「ぜんぶここに」(詩 さくらももこ)の作曲家と聞いて感激。 こうして書いていると、今も「ぜんぶここに」のメロディーが頭の中で歌い出します。 グリーの皆様、幕は降りたけれども… これからも胸に歌の心を灯して、進んでくださいね。 コンサートの帰り道、 グリークラブがいつも夏合宿をしているという、石田観光農園の石田さんと一緒になり 林檎や合唱のお話を聞きながら帰った。 林檎の実、林檎の花、蕾の色。林檎の蜜。歌を聴いて実る、「世界一」という林檎。 こうして音楽と共に、果実が実るのだ… 皆の人生にも、音楽と共に豊かな果実が熟しますように。 心温かくなる一日の終わり、どりーむホールは本当に「夢」の場でした。
by megmoriyama1
| 2016-12-11 23:17
| 音楽
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